○心のケア

 大きな地震(揺れの経験、破壊された建物とけが人を目の当たりにすること、など)に巻き込まれた人は誰しも、いくばくかの情緒障害に苦しむ。生き残った人は事実として自然界の経験として恐怖のそれが必ず再び起き、コントロール出来ないことを証言する。本質的な列挙知覚的刺激の驚き・恐怖攻めにすると同時に、経験者は急に、内的なストレスから強い感情を示したりする。

 代表的な症状を挙げると、一時的に地震の影響を受けた一般的人物像において、心因性症状(嘔吐症・下痢・頭痛・極度の疲労など)・考え込み(精神的混乱・記憶障害など)・興奮(意気消沈・怒りっぽい・不安など)・個人的行動(能率低下・内気・泣き叫ぶなど)・社会的行動(他との相互作用が困難になる・時として深い悲しみとつりあった損害と引き換えとなっている)などが見られる。

 心理学的な準備が整っていることは、精神的に危機に対峙する心構えが整っていて、精神的な準備が出来ていることに少しも劣りはしはないことを意味する。上記の精神的障害を知っておくことは、自分自身とその他の人々の地震後を予期する標準的参考となる。ある種の心構えは、運動を伴う身体の健康維持・栄養摂取と十分な睡眠などを促し、精神的障害を最小に止める。

 家族でプランを定期的に見直すこと。家族、友人その他の人々の互助システムを作り上げ、あなたの感情的な反応を把握し、納得するまで学ぶことだ。

○子供がいる家庭では

●子供は、十分な事前トレーニングを受けていない場合、精神的外傷(psychologiacl trauma)に関して非常に傷つきやすいので、地震を理解できるように助ける必要がある。日頃から、どのような事が発生し、どこで大人の救援が得られるのかを、前もって熟知させておくこと。各家庭で緊急時のプランを立て、リハーサルしておくと良い。これで子供を安心させることができる。家族による積極的な保護も含め、子供の経験と感想について一緒に話し、決してそばを離れずに励ましてあげること。平常に復帰する態度を示して見せ、寛容に子供の要望に従ったとしても、子供は悪夢にうなされたり熟睡できないといった問題を生じることがある。幾割かの子供(大人も例外ではない)は地震で塗り替えられた恐怖心と不安を乗り越えるのに、専門家の助けを必要とする。

●被災直後、子供がいる家庭の場合、小さな子なら親は必ず子供のそばに付いていてあげること。子供のショックは想像以上に大きい。

●子供がいて避難する場合には、お菓子類やゲームなど、子供の気を紛らわすものも忘れずに持って行くようにしたい。

○備品マニュアルなど

●日頃から被災時用備品のリストを作り、それらを管理したい。定期的に交換すべきものは交換しておこう。家の中での避難経路も明確にしたい。避難路や集合場所を家族で取り決め、学校などにも、血液型や病歴などの参考事項とともに連絡票を渡しておくと良い。ガスの元栓や電気のブレーカーの位置は家族全員に熟知させ、誰もが直後の遮断を行えるようにする。家の中で注意すべき部分を洗い出し、危険な箇所は修復しておく。県外の主な連絡先を、家族個々のために書き出し、個々に保管する。また、このような内容についての話し合いを定期的に持つようにし、その記録は次の話し合いに役立てるようにする。家庭内で、被災時にやること、やってはならないことを、予めはっきりしておこう。


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©Daisuke Tomiyasu (OverRev) 1997