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南極熊アイコンSilky Pix ver2 Beta (for Mac)

September 19, 2005

SILKY PIXのリリースから一年半。この間、デジタルSLRが続々登場し、RAWデータのフォーマットが変わるのにつれて、SilkyPixもバージョンを重ねて来ているが、ここにきてついに、Ver.2へとステップアップした。Windows用は既にリリースされているが、私がメインマシンをMacに変えてしまったので、Mac版のVer2βリリースでようやくテストと相成った。

比較画像1撮影機材はEOS 1DsMk2。旧バージョン同様、月面が効果を見やすいだろうと、ちょうど中秋の名月に当たったので、この満月で比較することにした。先ずはそのハイライト部分拡大画像(右)。ブロック状のノイズの少なさは一目瞭然だが、旧バージョンのSilkyPixと比べても段違いの滑らかさだ。ティコを衷心に小さなクレーターと、比較的クッキリした光条。その合間の、ノイズの少ないグレーベタのトーンは、同じカメラの同じRAWデータからベストを抽出したと思えないほどだ。

もう一つのテスト画像は、コペルニクスから伸びる光条と、そこから北へ走るカルパティア山脈、そして周囲の海の濃いグレー部分。光条そのものはPhotoshopCSが良く見えるように思えるのだが、それは平滑さとバーターで得たもの。SilkyPixの現像でも、荒れるのを厭わなければシャープさは増す。鍵は、いかに平滑であってほしいところがザラつかずに、しかし十分シャープな映像が得られるか、だろう。なにしろ、CSの画像では地形ではない影が、ノイズとして出てくる。
EOS1DsMk2のようなプロ用機材では、RAWデータは非常に貴重な存在だ。それは、新聞のような時間のない用途に同時保存したJPEGファイルを回したとしても、同じ写真から別な用途─例えば、後で週刊や月刊の誌面で使うなんてことで、もっと鮮明な画像が求められたとき、その要求に応え得るからだ。そして、その時間をかけて現像できるケースで、SilkyPixは魔法の奥の手のように、イマイチの感のあったデータを見事に仕上げてくれるソフトだ。言う迄もないが、1DsMk2に限らず、JPEGで完成させるならRAWは要らないなんてぇのは、悪意で掘られた大きな落とし穴だ。撮影時に用途が決まらない(絶対にそれだけと決まっていることは先ずない。遠い将来を含め、後から何が求められるか分からない)以上、RAWを主体に時間稼ぎのためのJPEGと考えるのが筋ってぇもんだろう。

今回のテストではそのEOS1DsMk2での撮影データを、新しい機材へのSilkyPixの対応具合や進化のほどを見るべく使ってみたのだが、開発陣の努力は予想した以上の成果を見せてくれた。デジタル現像の成果以外の細かいところでは、ファイルブラウザの実装等、使い勝手の面でも大きく向上している。こりゃあ、アップデート必須だ。

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