ずっと課題としてひっかかっていたのが、このスバル。300mmf4では焦点距離が長すぎて、はみ出す。ちょうど良い収まりで撮ろうと思えば焦点距離の短い望遠鏡が必要になるのだが、今度は口径が小さくなるのに伴って、光害地ではいよいよディティールが出ないのだ。
もやもやと待つこと、2年。やっと、深夜という街明かりの減る時間帯と天候・シーイング、そして月明かりの加減などが一致した夜がやってきて、アンドロメダを撮影しているところへ上がってきたスバルに、即刻152mmを担ぎ出した。これが、正解。
むろん、遠征でベストシーイングの地へ足を運んで撮ったものに比べたら、こんな程度じゃ話にもならんのだろうが、そこはそれ、待てば海路の日和ありというか、LPS-P1など光害防止フィルタの助けを借りるなら、まぁこの程度は行けるということで、ご勘弁。
望遠鏡ショップのWebサイトなどで夜空を宝石箱と称していることがあるけれど、思うに、スバルはその呼び名にふさわしい天体の一つで、こんな色のついていない眼視でも、いくら見ていても飽きない美しさだ。
もうオリオン星雲はエエぞぉ、と食傷気味とはいえ、この色を見る都度、もし肉眼でこの色が見えたら、人々はもっと自然や神への畏敬の念を払うのではないかと思う。
いかに飽きてきていても、光害の空でそこそこ奇麗に写るのはオリオン星雲くらい。300mmは焦点距離1200mmで、このような納まりに撮影するには長過ぎる。そこで、以前から撮影したかったフレーミングに、152mmでトライした。
もちろん、光害防止のLPS-P1フィルタを使っているが、EOS20DはHαを撮影するにはなかなか悪くない。内蔵フィルタを外せばもっと奇麗に写るだろうが、今度は一般撮影で問題が出る…と悩んでいたら、EOS20Daが発表された。キャノンに拍手。早速発注したけれど、届くのは三ヶ月後、イリオン星雲を試せるのは来シーズンだ。
デジカメで撮影することの一つの美点は、脇でパソコンを使わずとも良いこと。仕事で一日中パソコンに向かった後、趣味で楽しく星見でもしようかというときにまで、パソコンを使いたくはない。
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