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─ 星雲/GALAXY by Orion 300mm f4

M31 Andromeda  September 18, 2007ANDROMEDA September 19, '07

光害だの何だのって言い訳しながらサボっているよぉに見えて、これでも実はコンディションを読んでいる。光害がある分だけ気象条件が整わないと、狙ったターゲットは絶対に納得行くレベルでは写らない。むろん、それならそれで良い条件が整うところに移動すれば良いのだけれど、天候ばかりは「当たらぬも八卦」的なところがあるし、悲しいことに、忙しい仕事の合間、束の間のチャンスを捉えるくらいしか、時間のとりようがない。

しかし、ナンと言ってもほぼ諦めだったのが、このアンドロメダ。大きな天体だのすぐ見えるだのって良く書いてあるが、都会に暮らす者にとっては夢・幻。よほどうまく条件が整わないと、先ず見えない。その、見えないはずのアンドロメダが、衛星画像で比較的条件が良いからと始めた双眼鏡での事前サーチで見えたのだから、トライしないほうは、ない。早速300mmをG11に載せた。このターゲットは以前、ガイド星を捕まえるのに大変な思いをしたのだけれど、この夜は好条件に助けられてか、そちらも比較的うまく行った。

アルミアングルで補強したフォーカサー取付け部ちなみに、望遠鏡のほうはと言えば、152mmともどもアルミのアングル(L字断面の金具)を使ってフォーカサーマウント部分の補強を施した。もっと広く・長く鏡筒と接するマウントがあれば力が分散するわけだが、重くはしたくないということで、考えた末の対策。これで、DSLRのボディ重量がかかることによる光軸のズレはある程度抑えられるようになったと思う。

コンポジットなどの画像処理を終えたアンドロメダは、この程度の写りではあるけれど、それでもなお宇宙の広がりを匂わせる姿をしている。が、小さく見えるM32は、本当なら淡い広がりの内側。それが銀河の外側に見えてしまうほど光害は強く、LPS-P1をかけたくらいではどうにもならない。いつか、フルサイズのアンドロメダを撮影してみたいものだ。


M57 Ring Nebula Aug 28, 2005M57 September 07, '05

ナービー台風(14号)が去った台風一過の夜、澄み渡った空の高い透明度に、再トライ。大気の揺らぎは大きく決してシーイングが良いというわけでもないようだったけれど、極端な高倍率で撮影するわけではなく、星雲の暗く淡いガスは良く描写されたように思う。これを撮影した直後、ふと思い立って双眼鏡でアンドロメダを探すと、久方ぶりに見えていた。が、望遠鏡をそちらへ向けて設定をはじめると雲が広がって、アウト。悪天候の合間、束の間のチャンスだった。


M57 Ring Nebula Aug 28, 2005M57 August 28, '05
一年ぶりのリング青雲は、G11にPowerMate2Xを装着した20Da。夏休み最後のこの日曜日も、日頃の光害に南側の湾岸線深江大橋のライトアップまで加わって、状況は悲惨。南側の空はこの夏の間、昼間のような明るさで、なんとか右のような結果が得られたのが奇跡。むろん、LPS-P1のご利益なしでは考えられない。
色調の調整はNASAのサイトの画像を参考にしてみた。NASAサイトはおろか、冷却CCDをお使いの方々がサイトにご掲載の秀作の足下にも及ばないのが悲しい。
ところで、G11をOrion 300mmで使うと、フォーカサーの高さが高くなって、高度の高い対象のときは、覗くのに苦労する。最初は脚立を使ってみたのだけれど、我が家の観測場所は雛壇住宅地の段の上なので、そこから落ちたら最後、3mほどもある隣地の駐車場へ真っ逆さま。危険過ぎるということで、GM8の脚をG11に使ってみたら、これが存外に具合が良い。逆に、GM8にG11の脚で152mmを載せてみると、こちらもGood ─ というわけで、現在、G11はGM8用の脚に載っている。まぁ、たまたま両方あるから出来るのだけれど…

M45 SUBARU 04/10/07M42+43 November 08, '04

太陽のページで書いているように、日食を前にしてローパスフィルタに傷を入れてしまった10Dを修理に出したのだけれど、日食に間に合わないから、EOS 20Dをゲットした。その20Dはノイズリダクション機構が加わって、長時間露光のノイズを一段と減らすことができる。結果は右のとおり、ノイズ面での優位のみならず、ラチチュードの広さや階調の滑らかさといった面でも、一層の改良が成されていると分かる。これで100grも軽いのだから、天文ユーザーには嬉しいニューモデルだ。デジタル家電失速などといわれるが、伸びるところは、ちゃんと打つべき手をうち、出すべき製品を出している、といったところだろうか。
AGA-1のオートガイドもすこぶる快調。これで、光害がなくてもっと星々が見えたらなぁ、と思う。なんせ、雲っていなくても、酷いときには片手で足りるほどの星しか見えないのだ。あぁぁ…


M45 SUBARU 04/10/07M45 Preiades - October 12, '04
AGA-1オートガイダー利用の調子は上々。7分間ノータッチ×2を含む四枚のコンポジットで、下よりも滑らかな散光星雲のブルーが得られた。但し、7分ともなると、実際の画像の背景は真っ白。ちなみに、銀塩ではこうした淡い色が出てくる前に、背景が昼間のような青空になってしまう。それほど、光害は酷いのだし、また、デジタルでなかったらこうした天体撮影の愉しみなんぞ、決して得られなかったのだ。
今や、EOS1Dsの1100万画素では銀塩の6×4.5に匹敵する画像が得られる。つまり、この20Dの800万画素でも、35mmと比べ余裕の大解像度なのだ。その上、銀塩では到底考えられない、光害環境下でこのような画像を得ることが可能だという意義は、非常に大きい。銀塩大好きな方がおられるのは構わないが、銀塩かデジタルかという前に“何がそこに写っているのか”を、もっと大事にしたいものだと思う。

M45 SUBARU 04/10/07M45 Preiades - October 7, '04
夕方の曇り空に諦めていて、もう寝るつもりが、ふと外を見るといつのまにか星空。ついつい、やってみるか、と機材を担ぎ出した。今度はスバルをターゲットに5分間のノータッチガイド。ガイド星を導入設定ているうちに、半月がどんどん昇ってきて、淡いブルーが写る可能性が薄くなる。やっとこさ何とか、P.E.C.も設定し終えての5分露光。本来、宝石箱と呼ぶにふさわしい美しさなのだけれど、ソフト上で引っ張り出したガスの陰影はどこかモタッとしていて、今ひとつ透明感に欠ける。どこか、暗い空で撮ってみたいと常々思う対象だ。また、オライオンは焦点距離1200mmで、この対象には少々長いが、残念なことにレデューサーがない。ニュートン式で四本支えになっている副鏡スパイダーらしく、十字のスパイクが出ているが、好みからすると、スバルの場合、これがあったほうが、ないよりも綺麗だと思うのは私だけだろうか。

Diffuse Nebula M42(NGC1976) with M43M42+43 - October 4, '04
AGA-1をLosmandyで使えるようにいじくった結果が、これ。鏡筒バンドやウォームギアの変更も利いて、6分間のノータッチガイドに成功した。もっとも、6分の露光は実は露出オーバー。月明かりのせいもあってしらけていたその画面を処理して整えると、右のようにLPS-P1フィルタを使ってなお、これまでとは段違いのガスのディティールが出現した。まだ季節が早く、撮影時間が午前三時半だったのも、光害の度合いが若干でも少なくて済んだ理由かも知れないし、運良く風が吹かなかったのも幸いした。寝不足の睡魔は、この上がりを見て吹っ飛んだ。
一方、パララックスインストゥルメンツ製の鏡筒バンドBORG76EDからヘリコイドを外してミニボーグに変えたガイド鏡を同荷した上に、Canon 10Dを装着したら、GM8には荷重限界。G11にステップアップしなくちゃいけないかなぁ…と思いながらも、他にもモノイリが多く、とても右から左とはいかない。当分このままだろうから、過積載に耐え続けてくれよなぁ、と祈るしか、ない。
この画像をしみじみ眺めていて「もし肉眼でも星雲がこんな風にフルカラーで見えていたら、人々の、自然や神への畏敬も少しは違っていただろうか」と考えてしまった。もっとも、総天然色の星空はちょっと賑やか過ぎて風情に欠けるかも知れないが…


M57 Planetary NebulaM57 - August 12, '04
昨年やっとのことでかすかに写ったリング星雲をもう一度、今度はCanon 10Dでと、コンディションは11日ほどではないのにトライ。11日にトライしたものは拡大率を上げると見事に流れていたので、この夜は8分間我慢のP.E.C.設定を施した。やはり30秒を越えることはできなかったけれど、辛うじて一枚、この程度の画像が得られた。やれやれ…。課題は鏡筒の保持をもっと確実(バンドの変更)にしたり、P.E.C.設定を厳格にしたりと、挙げればキリがない。


M8 Diffuse NebulaM8 - August 11, '04

こんな淡い天体が、かすかとはいえ光害地でも写るのだから、デジカメは凄い。もっと長時間露光が可能なら、まだまだトーンを引き出せるの…かなぁ。

LPS-P1フィルタは必須だが、この11日〜12日にかけての画像には、もう一つ、いよいよ市販版となったSilkyPixの威力がある。RAW現像ツールとして、こうした天体を、まるで複数枚のコンポジットで滑らかにしたかのように綺麗に現像してしまう。そのうち、デジタル天文写真には、このソフトも必須となるのではないかと思う。

 


M22 Globular ClusterM22 - August 11, '04

悪天候続きの今夏。チャンスを狙うがなかなかうまく行かない。ロスマンディGM8を使ってもなお、拡大率を上げると30秒以上の露出では僅かに流れてしまう。それでも、待ちにまった好天にチャンス到来と撮影。この夜、リングは失敗したが、淡い天体を何とかそれらしく撮影できた。もっとも、M22をご覧になればお分かりのように(他のサイトの同天体と比べれば一目瞭然)、LPS_P1を使ったところで、星の数が圧倒的に少ない。

 


Orion Nebura by Orion 300mm - Feb 07, 2004Feb 07, '04

キャノン10Dなどデジタル一眼レフはディープスカイがよく写ると評判。私も入手してこのかた、あれこれトライしてきたのだけれど、なかなか掲載できるほどの出来にならなかった。ようやくコンポジットするだけの枚数、ガイドもうまく行った画像が得られたので、ここに掲載。LPS-P1フィルタで強引に光害を抑えこんだ。新聞でご存知かと思うが、神戸市東灘区には甲南山手サティがあったのだが、撤退。後に入った幾つかの小売業者が屋上のネオンサイを看板に変えたので、夜空に向けたスポットライトがサーチライトのように南側の夜空を照らし始め、このお陰で、ディープスカイ撮影には全く向かないロケーションと化してしまった。
赤道儀はロスマンディGM8。フリーストップのクラッチ機構もさることながら、その品質と設置(極軸合わせ)の楽さ加減に、異次元の製品と納得。10kgのオライオン300mmをスムーズにドライブしてくれるし、導入も簡単。ただ、PEC設定のための我慢の8分間(PEC修正のための動きを4分×2で記憶させる手動追尾補正作業)は、寒いときにはちょっと辛抱がいる。
この画像はパラコアを使い、若干トリミングして収まりを整えているが、もしオライオンで使えるレデューサーがあり、光害もなければ、もっと広がりのあるオリオン大星雲のダイナミックな眺めが再現されるだろう。

 


m42_021029s.jpgJune 02, '03

神戸の光害には常々うんざりしているが、特に悲しいのは淡いディープスカイ、星雲が見えない・写らないこと。だから、300mmf4の集光力には期待していた。そして、ようやくその性能の恩恵にあずかれるコンディションの夜にめぐり合ったのが、このカット。

写りが悪いと言われようが、なんと言われようが、これが初めてのリング星雲。LPS-P1フィルタとパラコアを装着して撮影。光害下の神戸だって、シーイングという運を待っていれば、この程度は見える夜にめぐり合える、ということ。


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